電磁誘導現象を利用した衝撃押し込み試験の検討

摘要

ガスタービンなどのセラミックスコーティング，タブレット端末のディスプレイなどのように，表面に粒子が衝突することで，微小な損傷が生じ機能低下あるいは機器全体への深刻な破壊の起点となることが多い．このため，押し込み試験により表面の損傷の評価が行われている．多くの場合，静的に評価が実施されているが，材料のひずみ速度，衝撃速度の影響を明らかにするため動的あるいは衝撃による押し込み試験が実施されるようになっている ．比較的低速度の試験では荷重および押し込み深さの時間変化を測定することが可能であるが，圧子を衝突させて材料表面のみに損傷を加えるような場合では衝撃荷重および圧子の押し込み深さの時間変化の測定が困難である．そこで本研究では，磁石が埋め込まれた圧子を試験片に落下衝突させたときに，試験片近傍に置かれたコイルに発生する誘導起電力から衝撃荷重および圧子の押し込み深さを測定する試験装置を開発した．この装置によりソーダライムガラスの衝撃押し込み試験を実施し，得られた結果から装置の妥当性を検証した．