2019 年結氷期の北極海氷縁域における波浪観測

摘要

温暖化に伴い北極海の海氷の融解は急速に進hでおり、将来的な海氷変動は気候変動の観点から重要である。一方、海氷の融解に伴い、北極海航路の新たな利用も検討されている。日本からヨーロッパ北部への航路では従来のスエズ運河を経由する航路に比べて約30%の短縮が期待でき、温室効果ガス・消費エネルギーの削減に通じる温暖化の稀な副産物である。また、海氷に閉ざされていた北極海から資源開発を行う取り組みも見られる。このような状況下において、海氷面積と厚さ、形態の把握は将来的な北極域における産業活動において非常に重要な要素となる。