可視光応答性細胞培養基材を利用したIPS細胞由来心筋細胞の選択剥離/回収技術

摘要

iPS細胞は、再生医療、難病の原因究明、創薬研究など幅広い応用が期待され、現在では人への臨床応用が進められている。中でもIPS細胞由来心筋細胞は、再生医療への臨床応用が積極的に進められている分化細胞の一つである。通常、IPS細胞を心筋細胞に分化させた場合、全てのIPS細胞が心筋細胞に分化出来るわけではないため、心筋細胞だけを分離する必要がある。現在では様々な分離技術により心筋細胞以外の細胞の残存率を1%未満に抑えることが可能となっている。しカゝしながら、心筋細胞を心筋シートなどに供しようとした場合、10~8個程度の心筋細胞が必要となるため、残存率が仮に1%であった場合でも、心筋細胞以外の細胞が少なくとも10~5個程度含まれることになり問題となる可能性がある。我々は心筋細胞が拍動していることに着目し、拍動している細胞のみを回収出来れば残存率を劇的に減らせるのではないかと考えた。