ゼミ活性化支援システムのための相互評価プラットフォームの試作

摘要

同一の学習コミュニティに属する学習者のグループ内での相互評価は，e-Learningやプロジェクト学習において学習者の意欲向上やコミュニティの活性化の点で一定の成果をあげている.しかしながら，相互評価を活用した学習者の意欲向上やコミュニティの活性化の手法は授業などの比較的短い時間の中で行われる活動の中で主に用いられてきたのみで，半年や一年単位での長期的な活動に使われてきた例は少ない.そこで著者らは，この相互評価を長期的な活動の一つであるゼミナールに対して活用し，ゼミナールの活性化を図るゼミ活性化支援システムを提案している.本提案システムは，ゼミナール以外の研究室で過ごす様々な活動や行動，例えば，部屋への人退室，部屋内で行動，書籍の閲覧状況，飲料の消費，研究用PCにおけるアプリケーションの使用状況，個人の活動量などに対しても活動記録として収集を行う.そして，収集した記録を用いてゼミナールでの評価との相関を検証したり，記録を「見える化」し全員で共有することで他人の行動と自分の行動を比較し，自身の研究活動の客観視•自己評価を促したりする.これにより研究室全体の活動を活性化することが期待できるシステムである.