交流高電界下の水電極間の水滴の挙動

摘要

水電極を使用して交流高電界下における水滴の挙動を観察した。水滴の試料として雨水と塩水を用いて実験を行い、交流電圧を一定に印加すると水滴はアース側(陰極)に引き寄せられ、やがて時間の経過とともにアーク放電に至ることが明らかとなった。雨水また塩水での水滴による放電に曝された試料表面の撥水性が低下すること、特に塩水の水滴と水電極によって発生する放電は非常に強く試料表面に大きなダメージを与えることを確認した。また、水電極での放電はC1イオンの放出によるもので銅電極間での放電より高い電圧と電流が必要であると推測される。 本稿では、碍子の汚損因子として雨水と塩水を扱ったが、その他の汚損因子として雪や工場による煙塵、また鹿児島県では桜島による降灰の被害が大きいので火山灰といったものなども考えられるので検討していく。