非接触型ノイズ検出プローブの評価: 様々な配線方向に感度を持つバタフライ型プローブの検討

摘要

電子機器のEMC問題が顕著になる中で，ノイズ源やノイズ伝搬経路を特定する技術は非常に重要である.ノイズ源などの特定には，ループ型プローブを用い，非接触でプリント基板上の電磁界強度を測定する方法がある.しかし，ループ型プローブの欠点は指向性を持ち，測定対象に応じてプローブを回転させる必要があり，静電気放電(ESD)などの過渡的な単発ノイズの測定には不向きである.そこで，ループ型プローブの指向性を改善するプローブの構造として，バタフライ型プローブを考案し，試作及び評価を行った.本稿では，次の2点の評価結果について述べる.1点目はマイクロストリップ線路(MSL)を測定対象とした場合に，MSLの角度を変化させたときの感度特性を評価し，従来のループ型プローブと比較した.2点目はMSL上を横切って移動するバタフライ型プローブの感度特性を評価した.これらの評価により，ESDなどの過渡的な単発パルスの伝搬経路の測定に有効であることを確認した.