ステレオビジョンを用いたソレノイド中心軸上磁場推定

摘要

現在，リニアモーターカーの車両に搭載されている超電導コイルや医療機器である磁気共鳴画像診断(以下MRI：magnetic resonance imaging) 装置など様々な分野で強磁場は利用されている。その一方でMRI 装置の電源がついていることに気づかずに清掃員が清掃用器具を持ち運hでしまい器具が吸着する事故が起きている。事故が起きる原因として，磁場は人の目で直接観測できないためその危険性が直感的にわからないことが挙げられる。このような背景より，本研究の目標として磁場の可視化を行う。先行研究に教材用として磁場の可視化を行っている研究がある。この研究では大量の磁気センサを使用して対象物を近づけて磁場分布を可視化している。これに対して本研究では磁場の測定は最小限に留め，観測者の位置から未知の磁場発生源を推定し，リアルタイムにウェアラブル端末である拡張現実(以下AR：augmented reality) メガネ上に磁力線を描くことを最終目標としている。本稿では前段階としてステレオビジョンによりソレノイドの寸法を計測し，中心軸上のある一点の磁場からソレノイドの中心軸上全体の磁場推定を行った結果を報告する。