狭帯域電力線搬送の鉄道用変電所応用へ向けた通信環境の調査と適応模擬試験

摘要

本研究では，鉄道用変電所のデジタル化を実現し，アナログの配線数を減らすために，NB-PLC を用いた制御システムについて検討を行った。まず調査として鉄道用変電所の制御・計測用直流 100 V 電源の使われ方や構成について調べた上で，実験によりNB-PLC を適応する際に問題点が無いことを明かにした。加えて，通常のAC への適応と比べて，負荷装置の動的挿抜が無く，DC 制御電源がPLC に適していることを示した。次に，実際にプロトタイプシステムを開発し，実変電所環境で操作連動の試験を実施し，周辺の電磁ノイズの影響を受けずに安定して250 ms 程度で模擬遮断器へ制御信号を届けられることを確認した。本稿で述べた検証試験の実施にあたり，東日本旅客鉄道(株)ならびに九州旅客鉄道(株)の関係各位に変電所内フィールドのご提供等で多大なるご協力を頂いた。ここに改めて謝意を表したい。