大容量ワイヤレス電力伝送システムの負荷変動を考慮した冷却器構造の設計法

摘要

本論文では，熱伝導プラスチックを用いた冷却構造を持つ大容量WPTシステムの負荷変動に対応した設計方法を提案した。提案構造を熱等価回路で表すことで，負荷変動する場合でも簡易に熱の設計をすることができる設計方法を確立した。また，熱等価回路の微分方程式を解くことで，熱設計の最適化を図った。提案構造を熱抵抗と熱容量に置き換え，給電部と冷却部に分けた2段ラダー回路の熱モデルを構成した。温度許容値を超えないために，2段ラダー回路の定常状態のピーク温度を求めるが，数式的に困難であるため回路の近似化を行い，近似式を導出した。2段ラダー回路の定常状態のピーク温度の理論値は，近似値と比べて誤差を2%以下で推定可能であることを確認した。また，設計フローに基づいて提案構造の熱設計を行い，熱伝導ブラスチックの厚さ20mmで温度許容値以内に温度が収まるように設計し，設計フローチャートの妥当性を確認した。今後は，本論文で提案した設計法を実機実験で検証，評価を行う。