LLC電流共振コンバータのPFM制御及び位相シフト制御における安定性解析について

摘要

LLC電流共振コンバータは一般的にスイッチング周波数を変調するPFM制御により出力電圧を制御するが、ZVSが実現できる出力電圧範囲が狭いといった欠点がある。そこで著者らは、広い出力電圧範囲において高効率に電圧変換を可能とする目的で、LLC電流共振コンバータをPFM制御と位相シフト制御を併用して制御することを提案した。この際、LLC電流共振コンバータをPFM制御及び位相シフトにおける安定性の解析は困難であるが、これまでの検討においてLLC電流共振コンバータの伝達関数の導出が数値計算を援用する手法により可能となっている[1]。本稿では、提案手法によりPFM制御及び位相シフト制御におけるLLC電流共振コンバータの伝達関数を導出し、伝達関数より求まるボード線図とPSIMのACスイープにより導出したボード線図が一致したこと及び、一巡伝達関数よりボード線図を測定し十分な安定性を確保できたことを報告する。