大型商業施設における空調熱源システムの改修(第1報)　改修後の省エネ効果の検証

摘要

本報では、空調熱源設備の改修前後の電力消費量を比較し、ピーク電力抑制のための取り組みについて評価した。改修後の熱源システムの高効率化により、8月の電力消費量を建物全体でおよそ19％削減し、Aゾーンの熱源設備の電力消費量の63％削減を達成した。また、ピーク電力を抑制するために冷却水温度差の条件ごとに機器動力を検討し、最もシステムCOPが高くなると想定された仕様を採用した。これにより、本施設では蓄熱方式から非蓄熱方式へシステムを変更しても、ピーク電力を改修前より328kW低くすることができた。しかし、想定よりも日中の空調熱負荷が小さかったため、ターボ冷凍機の運転時間に差が生じてしまっている。引き続き運転データを解析し、熱源機をパランスよく運転させ、より熱源システムCOPが向上するよう運用改善を行っていく。