再生可能エネルギー利用のための水循環·分散型ヒートポンプシステムの開発(第4報)　非住宅用システムの年間性能評価

摘要

地中熱などの再生可能熱エネルギー利用は、イニシャルコストが高く未だ普及が進hでいないのが現状である。本研究で提案するシステムは、再生可能エネルギーを用いて年間の熱源水温度を15～25°C程度の中温に保ち、水熱源HPの高効率化を可能とすることを特長としている。従来の空気熱源HPに比べると、冬期の方が熱源の温度の優位性が高いため、温熱供洽においてより省エネ効果を発揮することが期待される。前報では、非住宅分野のうち加熱負荷の大きい病院を対象に、従来採用されている一般的な水熱源HP方式に対する投資回収年数を算出し、経済性の観点から実現性に目途が立つ結果を得た。本報では、開発システムの実機(試作機)の運転データをもとにシステム構成機器モデル化を行い、年間シミュレーションにより運転性能の把握を行った結果を示す。