巨大地震下の鉄骨多層骨組の終局挙動予測に関する研究　その1-局部座屈を考慮した鉄骨部材要素モデル

摘要

建築構造物の耐震安全性を確認する合理的な方法の一つは，地震動に対して構造物が倒壊しないことを確認することである.しかし，あるレベルの地震力に対して検討を行ったとしても，そのレベルを超えた強さの地震力に対する骨組の安全性の余裕度は不明である.また，巨大地震時においては，鉄骨系骨組では柱梁部材の局部座屈やP-Δ効果などの劣化要因が絡み合い，構造物全体の挙動に看過できない影響を及ぼす恐れがある.そこで本研究では，局部座屈発生および局部座屈発生後の挙動を表現できる部材要素モデルの提案を行う.