パルス渦電流非破壊検査装置の開発

摘要

設計段階での寿命を超過した構造物の運用や，設計を超える負荷下での運搬機器の運用による事故事故例が報告されている．これらの事故を未然に防ぐため，健全性評価が求められている．また，製造段階においても初期不良，歩留まりを検出する健全性評価法へのニーズも高い．目視検査，超音波および放射線に代表される非破壊検査を用いて維持段階もしくは初期状態の健全性の評価が試みられている．非破壊検査法には，広い適用範囲，検査の迅速化，熟練不要，経済性向上などが求められている．各検査法には適・不適がある．放射線による手法は表面欠陥，内部欠陥，裏面欠陥，重ね構造下板裏面欠陥を検出可能であるが，検査を現場で行うことが難しく，検査にも熟練が必要であり，またコストも高い．磁粉探傷，浸透探傷，交流渦電流探傷などの非破壊検査手法は熟練が不要で，低コストであるが，検出できる欠陥の適用範囲は狭い．