防災街区整備と歴史的風致維持を兼ね備えた新たな地区計画制度に関する研究 第4 報 火災時煙流動と連携した避難シミュレーション

摘要

本報では、煙流動を反映した避難行動予測を行い、本研究で提案している防火対策の効果について検討を行った。その結果、モデル市街地では新たな通路の追加および裏庭を避難路として利用することの有効性がみられた。本研究では防火対策時の延焼防止と煙からの避難不能人数の抑制について解析的に検証を行った。そして、建物の不燃化と前面道路の拡幅は延焼防止および煙進行を遅らせる効果として確認できた。裏庭を確保することは延焼防止や煙進行遅延を目的とした2 つの対策と同等以上の効果がみられ、避難路としての有効性もみられた。