室温の変化が心理・生理反応に及ぼす影響 その3 夏期冷房条件における熱的過渡状態の実験結果

摘要

前報に引き続き，本報では夏期の屋外条件における運動の履歴が，冷房室入室後の心理・生理反応に及ぼす影響を実験により確認した結果について示す．表1 は実験概要である．冷房実験は暖房実験と同様に男子大学生3 名に全実験に協力してもらい，2018 年8～9 月に実施した．実験では，屋外を想定した前室で冬期と同等の運動を15 分間行い，その後，冷房室（室内2）に戻り椅座安静で15 分間過ごしてもらった．冷房温度は24°C，26°C，28°Cとし，気流条件では前方よりラインファンで水平方向に送風し，H=900mmで設定値となるよう調整した．また，屋外想定温度は30°C，運動負荷はトレッドミルで歩行速度を設定し，運動時には暑熱状態を緩和するため前方より扇風機で送風した．着衣量は約0.5clo で室内，屋外とも同条件である．