近代日本住宅の平面構成の変容と洋館付加はどのような関係にあったか：洋館付加住宅の建築計画史的研究 第10 報

摘要

筆者らはかつて「劔持初次郎案と中廊下型住宅の解釈について」文１）と題した小論を公表し、その後、中廊下型住宅にいたる近代日本住宅平面構成の発展過程を著した『中廊下の住宅』において稿を改めて掲載して公刊したのであるが、洋館付加住宅との関係については深く言及しておらず、その主旨も異にしていた。その前稿から期間が経過したが、改めて洋風化や合理化を目論hで形成された我が国固有の住宅近代化の史的特質の一端を示したい。