東京外郭環状道路建設の従前従後における歩行者経路の分析: 小学生の通学経路を対象として

摘要

本研究では外環道が歩行者経路に及ぼす影響として、小学校の通学経路に着目し、距離等の変化の特徴を捉え、既存街路の形態との関係により、経路変化に差異があることを明らかにした。(1) 外環道従前街路が多い場合や外環道に対して角度が鋭い場合、従前道路がなくなり経路長が延長する可能性が高まる。(2) 外環道に新たな道ができ経路変化する場合、外環道に対して従前街路の角度が鋭い場合には経路長は延長し、従前道路の間隔が大きい場合には短縮する傾向がある。（3) 側道を通ることでほぼ全ての通学区域で経路長が短縮する。特に周辺街路が規則的であるほど変化が起こりやすい。（4) (1) , (2) は始点が外環道に対して学校と直交する範囲にある場合に起こる傾向があり、(3) は学校から離れた外環道沿いの始点や、外環道が周辺街路に対して小学校の方向に斜めに通る場合に起こる。