ビルトＨ梁を用いた現場溶接型柱梁溶接接合部の変形能力に関する実験的研究その6 累積塑性変形倍率及び考察

摘要

その4~6 に加え1~3 の結果を踏まえ以下の知見を得た。1)フィレット残しについて、SAW 部が20J の場合と60J の場合で変形能力に差は見られなかった。未溶着長さが4mm の場合、スカラップ底から破断してηs=6.6、未溶着長さが0mm の場合はエンドタブを起点として破断してηs=7.3 となるため、フィレット残しディテールは未溶着長さの影響を受けることが判明した。2)鋼片挿入は鋼片下部の隅肉溶接が柱まで溶接されているとηs=6.6 と十分な変形能力を示すが、柱まで溶接されず柱と隅肉溶接に隙間が生じるとηs=6.1 となり、変形能力がわずかに低下する。