民家の構造と南面建具，雨端空間の関係伊是名集落後辺伝統的民家の実測調査に基づく探究 その３

摘要

本稿は，沖縄伊是名集落における生活がつくる，民家の空間の特徴を明らかにすることを目的とする．伊是名集落の後辺（くしひh）の伝統的民家で，実測が可能である47 軒の調査結果のうち，民家の主屋が現存する46軒について，構造を比較，整理し，集落の住人に共通する住むことに関する空間への志向を捉えようとするものである．沖縄の民家について，坂本ら(1989)は，集落景観要素である民家の立面に注目し，構造材によって民家を4 つに分類し考察している１）．大久保ら(2015)は，坂本による分類をもとに，民家の構造と主屋の平面構成に注目して民家をより詳細に12 の型に分類し，伝統的な木造単一の構造が，一部のRC 造を経て，現代的なRC 住宅へと変遷する過程を推論した２）(図１)．本稿では，大久保らによる分類をもとに，後辺の民家についての構造と平面構成を比較する．