情報板支柱の実物疲労試験システム構築と疲労耐久性向上に関する検討

摘要

道路橋の付属構造物である情報板支柱において，風荷重や交通荷重の影響により振動を生じている．その振動により，リブ部や開口部の溶接継手部に疲労損傷が発生した事例がこれまでに報告されている．さらに，既設されている情報板支柱のうち，上記の事例と同程度の供用年数を有しているものは数多くあり，今後，同様の疲労損傷が生じることが懸念される．これまで疲労損傷が確認された情報板支柱に対しては，取替えを実施してきたものの，取替え作業には莫大な労力及びコストが必要となり，今後，損傷事例がますます増加していくことが予想されている．そこで，本研究では簡易的かつ効率的に情報板支柱の疲労耐久性を向上させる補修および補強手法の確立を行うことで，情報板支柱の供用年数を増加させ，取替え時期を調節可能にする事を目的とし，まず実物情報板支柱の疲労試験を実施可能な試験システムを構築した．その上で，情報板支柱に生じたき裂への補修手法の検討として，ICR 処理，グラインダー処理やストップホール処理を行い，各手法の疲労寿命延命効果について検討した．