ＲＣ床版の一部を残置した床版急速取り替え用鋼床版構造の提案～STEEL CAP(Steel deck Composite, Adjustable to Plate girder)工法

摘要

今後，本格化する高速道路各社の大規模更新・補修事業においてRC 床版の更新は全体の半分以上を占めると予想されている．桁の補修であればベントを使うことで，道路としての機能を保持しながら実行することが可能であるが，床版の更新では確実に通行を制限する必要が出てくる．特に，常に大量の車両を通行させる必要のある都市内橋梁では工期短縮や夜間のみの工事実施が求められている．一方，古い法令や基準で建設された床版を取り替えるにあたり，当然ながら新しいそれらに従う必要があるが，コンクリート系床版の場合は幅員拡大や床版厚の増大の影響で死荷重の増大が避けられない．床版の死荷重増大は桁の補強をさらに必要とし，それは耐震性の低下による追加補強，最悪は下部工の耐力不足による補強の必要に至る可能性がある．そのため，鋼床版を取替に用いることは軽量化の観点で大きなメリットとなる．また，ボルトで接合が可能なためにモルタルを用いて既設桁と接合を行うコンクリート系床版に対して工期，施工時間の面でも優位性を持つ．従来，疲労問題から鋼床版の適用は避けられる傾向があったが，近年，疲労問題を解決しうる新構造が開発されたため，維持管理面の課題は無い．