北海道新幹線（新函館北斗・札幌間）におけるサイト増幅特性を考慮したL2 地震動に対する防音壁地覆の試設計

摘要

現在，建設を進めている北海道新幹線（新函館北斗・札幌間）における各地点の地震動は，地震基盤から耐震設計上の基盤面までの領域（以下，深部地盤）の増幅特性（以下，サイト増幅特性）（図-1）を考慮すると，標準地震動よりも大きくなる地域が分布し，鉄道構造物の耐震設計においてはこれを適切に考慮した上で，設計地震動を設定する必要性が明示されている．その影響は構造物本体だけでなく，地震時の照査を行う防音壁等の付帯構造物にも及ぶこととなり，特に近年において，将来の高速化を踏まえてニーズが高まっているレール面（以下，R.L.）上4.5m などの背の高い防音壁は従来のものよりも固有振動数が低く，地震時の動的応答が大きくなる．そこで本稿では，サイト増幅特性を考慮した地震動に対する新幹線用支柱式防音壁の地覆の試設計を行ったので，その結果を報告する．