PLL を用いた超小型人工衛星搭載用ソフトウェアモデムのシステム評価

摘要

超小型人工衛星は低コスト・短期間の開発が可能であり，とりわけCubeSat と呼ばれる10cm 立方，１kg 前後の大きさの衛星は国内の大学でも教育目的や技術実証機として開発されている．人工衛星の商業・早期技術実証利用の拡大により，ミッションが高度化傾向にある．それに伴い，地上へ送るデータ量の増加が考えられ，通信システムの通信速度向上や，多様な変調方式への対応などが要求にあげられる．これらの要求に合わせ，柔軟に仕様変更が可能な汎用的なシステムが望まれる．特にCubeSat では余剰体積が少ないため既存の中・大型衛星搭載モジュールの採用が困難である．また，アマチュア無線帯を活用した衛星で採用されている既存の民生品アナログモデムIC は需要低下により入手困難となっているため，将来の代替え可能なCubeSat搭載用モデムが必要となる．