コンポストトイレにおける水分調整材の物性と保水性·透水性

摘要

コンポス卜トイレはバイオトイレとも言われ、上水道/ 下水道などィンフラが整備されない僻地や山岳地域で導入されている。近年ではSDGsの観点から市街地において も導入する事例も見られる。コンポストトイレはトイレ 内の発酵槽にォガ粉などの水分調整材を充填して排泄物 を撹拌/混和することで、好気性微生物による好気性発 酵により糞便の分解を目的としている。この好気性発酵 を円滑に行うためには水分の制御が必要であるため、尿 を分離排出するセパレート便器の利用、発酵槽の容量の 大型化、電熱ヒータによる加温乾燥などが行われている が、過剰な利用により発酵能の低下/不全が生じる。また、 温水洗浄便座の利用は、より大型化した発酵槽ゃ加熱乾 燥装置が必要となるため、推奨されていない。これらの 問題に共通する点は、過剰に投入された水分に対する方 法が不十分であるためであり、発酵槽に充填される水分 調整材に対する物性的性状について言及している事例が 限定的であることも要因となっている。本研究では水分 調整材の保水性/透水性などの物性について検討した。