順次回分式活性汚泥法と緩速砂濾過の組み合わせによるメタン発酵消化液の清澄化

摘要

メタン発酵は有機性廃棄物の低環境負荷型処理法であ り、普及が進hでいる。その排水（消化液）は窒素.リン を高濃度に含有しているため、微細藻類の培養への使用が期待されているが、懸濁態物質（SS)や病原菌の除去が必 要である。通常、SS除去は遠心分離等で行われるが、技術や設備費用がかかり、途上国等で導入が困難となっている。 本研究では、運転管理が比較的容易である緩速砂濾過(Slow Sand Filtration; SSF)と順次回分式活性汚泥法 (Sequencing Batch Activated Sludge Process; SBASP)の2種の処理法による、消化液清澄化を検討した。SSFは、処理 対象水のSSを低濃度にまで減少させることができる。し かし、通常はSS濃度25 mg L~(-1)以下の対象水の処理に利用 されるため、SS濃度が高い消化液の処理の際には、前段に 高いSS除去能を有する処理が必要となる可能性がある。 SBASPは、曝気下で好気性微生物により対象水の有機物 を分解させた後、曝気を止め、沈殿させてから上澄み液を 排水する処理法で、高いSS除去能が期待できる。これを SSFの前段に導入することで高いSS除去を維持できる可 能性がある。消化液のSS·病原菌除去法の検討のため、 SSFのみ（系列1)と、SBASPとSSFの組み合わせ（系列 2)による長期の消化液処理能を評価した。