太陽熱加温を利用した汚泥の乾燥促進システム

摘要

汚泥や動物の糞尿などの高含水廃棄物は、リサイクルや処分の前処理で乾燥処理が必要であり、一般的にプラント処理や天日干しなどが用いられるが、高コストゃ乾燥に長時間要するなど課題が举げられている。本研究では、旧型システムでの季節の違いによる乾燥効果を明らかにすること、そして太陽熱を活用した汚泥の乾燥促進システムの改良型の考案を目的とし実験を行った。その結果、旧型の冬場と夏場では、目標値である質量含水率20%に至る乾燥時間は、冬場は76日、夏場は36日と約半分の期間であった。これは日平均気温の影響が大きいと考えられる。また、冬場の旧型と改良型の比較では、改良型には、汚泥容器を二体分離型に変えて蒸発乾燥距離を短くすることや、反射板を取り付けたことなどにより、旧型は乾燥に76日要したのに対し、改良型は45日と、40%乾燥時間を短縮することができた。この改良型を夏場に用いることで、さらに乾燥時間の短縮が考えられる。