オープンループ型地中熱空調システムにおける熱源水ポンプ群の変流量制御の効果推計法

摘要

地中熱空調システムは、空気を熱源とするヒートポンプ空調システムに比べて熱源機器の効率が高く、大気中への人工排熱放出量が少ないことから、地球温暖化やヒートアイランド現象の緩和に寄与する技術として考えられている。一方、システムを構成する揚水ポンプや熱源水ポンプに関して、低負荷時の流量制御が行われない場合、これら熱源補機によるエネルギーが多く消費され、地中熱空調システムのシステムCOPが悪化することが懸念される。本報では、この影響を検討するためにオープンループ型(井水）地中熱空調システムの構成を各種タイプに分類し、定流量制御および変流量制御における揚水ポンプ、熱源水ポンプ1および2を含む熱源水ポンプ群に対する一次エネルギー消費量の簡易推計手法を提案するとともに、地中熱空調システムの分類ごと、制御ごとのエネルギー消費量の試算結果比較を行う。