再生可能エネルギー利用のための水循環•分散型ヒートポンプシステムの開発(第18報)最適制御ロジックの改良と性能評価

摘要

本研究では，太陽熱と空気熱を利用する集熱専用天空熱源ヒートポンプシステム（以下，SSHPシステム）と地中熱交換器を組合せて利用する水熱源ヒートポンプシステムの開発を行っている。SSHPシステムにより集熱した太陽熱（+空気熱）を地中へ蓄熱することも可能であることから，SSHPシステムの運転時間と加熱出力には自由度があり，その制御方法がシステムCOPを左右する。既報では，SSHPと地中熱の組合せシステムにおける冬期暖房•給湯運転時の最適制御方法として線形計画法とモデル予測制御の組合せ手法を提案し，シミュレーションによりその有効性を検証した結果について報告した。しかし，既報の方法では消費エネルギーの最小化対象がSSHPシステムに限定されていたこと，シミュレーションの入力条件として日変動の少ない負荷条件を与えていたこと等，手法や評価方法に課題が残されていた。そこで，本報では，最適制御手法の改良内容と，シミュレーションにより省エネ性の評価を行った結果を報告する。