Hour-ahead Unit Commitmentを用いた太陽光発電出力予測の予備的検証

摘要

PVシステムが大量導入されると想定される九州エリアを対象に，HAUCにおいて毎30分でHAUC高頻度に実施することの効果，さらにはそこにPV出力のモニタリングデータを活用した短時間PV出力予測を活用することでの効果を検証した。実測値を与えたRTUCを通じてその効果をシミュレーションし，供給信頼度，経済性の観点から考察を行った。その結果として短時間PV出力予測を入力データとして高頻度でHAUCを行うことで，供給力支障の低減とそれに伴う発電コストを低下させることが確認された。その要因としては，随時，PV出力予測を更新していくことで，当日運用の中でも前もって予測誤差の傾向を把握することが可能になり，それに伴って運用の柔軟性に制限のある火力発電機の運用をより経済的にすることが可能となっていた。また，より柔軟な運用が可能な揚水発電は，当日のPV出力の予測誤差にも柔軟に対応は行うが，その出力には貯水量という制約があるため，その効果に限界がある。そのため，不確実な再エネを効果的に使用するためには，前日段階でのPV出力予測の精度向上だけでなく，当日のその予測更新と，それを受けて発電機の運用計画も火力発電機の柔軟な運用を行うためのリードタイムをもって更新していくことが重要であることが示された。今後，短時間PV出力予測を更新して高頻度でHAUCを行うことの効果を示すためには，LNG火力の柔軟性，例えば，最短稼働/停止時間制約，出力変化速度制約を緩和したケースでの解析なども必要と考えられる。