オーステナイト系ステンレス鋼SUS304HTB鋼のクリープ疲労損傷における同一試験片のEBSD追跡観察とミクロ損傷の定量評価

摘要

本研究で対象とするSUS304HTB鋼は，火力発電プラント実機構造物の中で最も高温にさらされる発電用ボイラーの過熱器管に使用されている.このような高温環境下ではクリープゃクリープ疲労の相互作用による損傷の蓄積が懸念され，プラントの安全運用のために余寿命評価精度の向上が必要不可欠である.一般的に損傷は，クリーブボイドの発生と微小き裂の相互作用によって進行すると考えられているが，ミクロ損傷メカニズムに関しては十分に解明されていない.従って余寿命評価精度の向ヒを図る為にはミクロ損傷メカニズムを定量的に把握する必要がある.