衝撃波–粒子群の干渉現象に関するTwo-Fluid Model およびCFD-DEM の比較検討

摘要

気体中に粒子が混在した流れを固気二相流といい，固気二相流においては気体−粒子間の相互作用や粒子同士の衝突が生じる．気体が圧縮性を示す圧縮性固気二相流は幅広く存在し，火山の噴火，炭鉱や穀物倉庫における粉塵爆発，砲内弾道などが挙げられ，防災対策や産業への応用の観点から圧縮性固気二相流の基礎的な理解が求められている．圧縮性固気二相流では，流れに衝撃波をともなうことから衝撃波と粒子の干渉が生じるため，衝撃波と粒子の干渉現象について理解することが重要となる．しかしながら，実現象のように粒子が複数存在するような流れ場における衝撃波と粒子の干渉現象に関して十分な知見は得られていない．したがって，実験や数値計算による圧縮性固気二相流の現象の解明が試みられている．例として，Rogue et al.やLing et al.は，衝撃波管内に粒子層を配置した実験を行い，衝撃波と粒子の干渉についての調査を行った．また，Houim et al.は固相を連続体と仮定するEulerian-Eulerian 手法を用いた数値計算によって衝撃波の通過による粉塵巻き上げ現象の調査を行った．