荒瀬ダム撤去事業に伴う球磨川本支川の河川形状の変化

摘要

1. 荒瀬ダム地点の水位は，ゲート開放前後は，中規模出水では変化があったが，大規模出水では変化が小さかった．みお筋部撤去後は，FVカメラにより取得された画像データによりH-Q式を作成し，出水時の水位がみお筋部撤去により約4m低下したことが分かった．2. 球磨川本川では，ダムサイト上下流の約4kmにおいて撤去工事に伴う河川形状の変化があったが，その他の区間では年ごとの変化はあるものの，平均河床高の変図-15 河床材料調査結果(粒度組成)化は小さく，撤去工事の影響は小さいといえる．3. 百済木川の河川形状は概ね2段階で変化した．また，百済木川の河川形状は，球磨川本川の水位(主に出水時)の影響を受けて変化していることが推測された．4. ダム上下流の河床材料は，全体的には大きな変化がなかったが，ダム下流区間の遙拝堰で砂分の割合が多くなり，ダム上流区間の佐瀬野では粗粒化が確認された．