漏洩磁束法における鉄筋の残留磁化と鉄筋腐食の関係

摘要

漏洩磁束法は，鉄筋を永久磁石によって磁化し，コンクリート表面での磁束密度を計測することで，鉄筋の残留磁化の変化からコンクリート内部鉄筋の隅角部における破断を非破壊で検出する手法である．しかし，本手法を鉄筋の腐食に対して適用している事例は少なく，鉄筋の腐食による残留磁化の変化については，十分に検討されていない．本稿では，腐食による鉄筋隅角部付近の残留磁化の変化を実験的に検討した．その結果，帯磁させた鉄筋の腐食量が増加することで残留磁化による磁束密度のピークが小さくなることがわかった．