高周波に対応した振動知覚閾値測定装置の改良

摘要

人が物をっかhだり，なぞったりした時，人はその物体の硬さ，温度，粘着感，摩擦感といった様々な要素で構成される感覚を得る.本研究ではそれらの要素の中でも指で物体表面をなぞった時の「つるつる，ざらざら」といった粗さに関わる皮膚感覚に着目している.手や指で物体をなぞったとき，微視的には皮膚表面が物体表面の突起との衝突を繰り返す.その時，それに応じた振動が生じ，その振動が皮膚組織内の機械受容器細胞に伝わって粗さを認識していると考えられている.そのため，なぞり動作時に皮膚表面に振動を与えることで皮膚感覚を提示できる.機械受容器細胞の一つであるパチニ小体の感度は250Hz付近にピークを持つことが報告されているため，多くの皮膚感覚デバイスでは1kHz以上の振動は考慮されていなかった·そこで，本研究では1kHz以上の周波数の振動提示に着目する.