DFIG連系系統における送電線事故に伴う単独系統移行時の異常電圧に関する解析

摘要

抵抗接地方式の系統に分散形電源が接続された系統においては，送電線事故の様相によっては非接地系統の単独運転へと移行する可能性がある。非接地系統においては，単独系統内の対地充電容量と事故点までの短絡容量の関係によっては直列共振現象が生じ，電力設備の絶縁レベル以上の異常電圧が発生する恐れがある。九州電力ではこのような異常電圧の発生を抑制するために，簡易評価手法を用いた検討を行っており，電圧上昇倍率が2.13～2.25倍の時，転送遮断装置，または中性点接地装置(補償リアクトル)(以下，NGL：Neutral Grounding Reactor)の設置を，2.26倍以上の時，NGLの設置を発電事業者へ依頼している。対策の要否の基準となる2.13倍は，酸化亜鉛形避雷器の短時間過電圧倍数である2.34倍に，零相フェランチ10%を考慮した値である。