衛星搭載光学センサーを用いた西之島2013～2015 年噴火時の噴煙活動評価

摘要

2013 年11 月20 日、海上自衛隊が、東京の南約1000km に位置する小笠原諸島父島の西方約130 kmの西之島近傍で噴煙を視認し、同日海上保安庁により西之島の南東500 m 沖に新たに陸地が形成され、噴活動火を行っていることが確認された)。その後、西之島の火山活動監視のため、海上保安庁や自衛隊によって月１回以上（2014 年3 月までは月数回）、航空機観測が行われ、島の面積や火口位置、溶岩流出地点、噴火様式の変化、変色水の様子等が観測された2)。また、国土地理院によって、2016 年8 月までに10 回航空地形計測が行われた3)。このように、アクセスが困難な海洋の無人島では、海上保安庁等により航空機を用いた監視観測が行われている。しかし、活動が長期化すると、その頻度は少なくなってくる。このような火山の定常的な監視には人工衛星が有用であり、PALSAR-2 やTerraSAR-X のようなマイクロ波センサーを利用した陸域面積や地表面被覆の把握、地殻変動の抽出、溶岩流出量の推定4) 5)、Himawari-8/AHI やASTER、MODIS のような赤外線センサーを用いた熱活動の把握6) 7) 8)等、衛星データが火山活動の監視・研究に活用されている。ここでは、衛星搭載光学センサー画像を用いて噴煙の上昇形態を解析し、西之島から放出される熱エネルギーとH2O 量を推定した結果を報告する。