太陽光発電電力の自家消費拡大に資するHEMSの活用

摘要

再生可能エネルギー発電の固定価格買取制度(FIT)により，住宅への太陽光発電の導入が急速に進hでいる。太陽光発電は，同じ地域で一斉に発電出力が増減するため，住宅から発生する余剰電力により，特に電力需要の比較的少ない春·秋(以下「中間期」という)の日中には局地的に供給過多となり，電力系統の電圧が上昇して，太陽光発電電力の電力系統への逆潮流(売電)が抑制されることが懸念され，一部地域ではすでに太陽光発電の新規接続申込が保留される事態も生じている。逆潮流の制限は，太陽光発電電力の利用機会の減少を意味し，その住宅にとって不利益が生ずる。余剰電力を他の地域に融通するにしても，電力系統の増強等の課題がある。そこで，より即効的な対応策として，太陽光発電電力の自家消費拡大が推奨されている。特に将来，FITが満了した後においては，太陽光発電設備所有者にとって効率的な自家消費が切実な問題となることが予想される。