大規模複合施設における詳細エネルギー消費実態分析

摘要

2013年3月に竣工された大規模複合施設の商業エリアにおけるエネルギー消費の実態について分析を行い、下記の知見を得た。1.エネルギー消費のばらつきは日による影響は少ない。来館者数や気象条件によってエネルギーマネジメントを行うことで省エネルギー化の可能性がある。2.エネルギー消費のばらつきは営業時間や業種による影響が大きい。3.商業施設のテナントでは、重飲食店でのエネルギー消費のばらつきが大きいことが分かった。重飲食の中で、エネルギー消費原単位に差異が生まれるのは、営業時間によるものが大きいと考えられる。4.重飲食において、エネルギー消費は来館者数比率と相関が高いことが確認された。そのうち、厨房·その他動力、厨房給湯ガスが来館者数と相関が高いことが分かった。エネルギー消費削減のためには厨房機器の高効率化が必要であると考えられる。5.一日の平均電力ロードカーブをみると、時間毎の日による電力消費のばらつきは小さい。6.照明用途電力消費は日によるばらつきが小さく、時間帯によって照明用途電力消費は変動する。今後は年間の分析を行い、省エネルギー化の可能性を評価するとともに、その為のデータベースを構築していく予定である。