建築構造用高強度780 N/mm~2鋼材H-SA700を用いた完全溶込み溶接接合部の塑性変形性能に関する実験的研究 (その2. 溶接継目の塑性変形性能)

摘要

本報では、完全溶込み溶接継手の性能を確認するための単調引張実験と低サイクル疲労実験の結果について述べる。2.単調引張実験どの試験体でも母材部が十分に塑性化した後に、母材部で破断した(図1, 2)。継手F、Gは他の試験体に比べ溶接部に直接的に引張力が作用しない形状で、溶接部の変形が微少であることを確認できた。表1に、各試験体の最大耐力を示す。溶接継手の最大耐力P_(max)が母材の引張強度に相当する耐力(母材断面積A×母材引張強度σ_u)を発揮したことが確認できた(P_(max)/(Aσ_u)がわずかに1を上回るのは、溶接部周囲の拘束効果によるものと考えられる)。