Cu-Al-Mn超弾性合金を用いた残留変形抑止型の構造部材の開発その1 ねじ継手の設計

摘要

超弾性合金は，形状記憶合金の一種であり，負荷時には歪の増加に伴って相変態による見かけの塑性化が生じ,除荷によって元の形状に回復する形状回復特性を有している.本研究では，優れた形状回復特性を示すNi-Ti合金とほぼ同程度の機械的性質を有し，さらに素材が安価で加工性に優れたCu-Al-Mn合金を活用して，残留変形の抑制を意図した構造部材の開発を目指している.本論では，Cu-Al-Mn合金の棒材を，ねじ継手によって鋼棒などに接合する場合を想定し，ねじ部の力学挙動を載荷実験によって確認することを目的としている.実験では，ねじのかみ合い長さ，ナットの強度をパラメータとして,ねじ部の降伏耐力の実験結果と既往のねじ部の設計式を比較•考察する.