引張応力を加えたオーステナイト系ステンレス鋼の局所的磁気特性

摘要

構造材料として広く用いられているオーステナイト系ステンレス鋼は、その機械的な劣化時に局所的なマルテンサイト相(α'相)を生じ微小領域に磁性を発現させることが知られている。安全性の向上のために磁性変化を検出して劣化度合いを評価することが注目され,圧痕を与えた点等で生成される強磁性的領域がマイクロ磁気光学カー効果(μ-MOKE)測定，MFM測定によって確認されてきた.しかし，これらの計測は，表面の凹凸が計測結果に影響を及ぼす可能性があるため，鏡面の試料から磁区観察とμ-MOKE測定を同一視野で行っていくことが信頼性の高い局所的磁気特性を得るために有用である.