Feナノ粒子集合体の磁気双極子相互作用が高周波磁気特性に及ぼす影響

摘要

近年，磁性ナノ粒子の集合体を用いた高周波デバイスの開発が盛hに行われており，ナノ粒子間に働く磁 気双極子相互作用の強化が高周波応答を実現する鍵とされている.化学的に合成されたFeナノ粒子は高飽和 磁化(190 emu/g_Fe)を有しており，その高充填集合体ではナノ粒子が感じる双極子相互作用磁場H_(dip)は3kOe 程度と見積もられている.この集合体の自然共鳴周波数は最大で10 GHzとなることが予想され，バルク Feの本質的な自然共鳴周波数を大きく凌駕する可能性がある.本研究では，Feナノ粒子を原材料として圧 粉成形により集合体を作製し，その高周波透磁率測定を通して双極子相互作用が自然共鳴周波数に及ぼす影 響に関して検討を行った.