大規模複合用途建物の熱源·空調設備改修プロジエクトのコミッショニング第15報冷熱源システムの最適運転法?実装システムの各種検証

摘要

本報では、開発したシミュレーションモデルを用いた諸検討を行い、以下の知見を得た。1) 特性の異なるINV-TR·F-TRが混在するシステムでも台数制御時の負荷配分は、均等に配分しても省エネ上大差なかった。しかし、これは一般的な結論ではなく、年間の負荷の在り方で変わる。2) 冷熱源システムの最適制御において、冷却水温度設定値を最適化することの効果は大きい。3) 冷却水温度は常に最小値で運用すればよい、ということではなく、最適値が存在する。4) 冷却水温度の入力テーブルデータの簡易設定法を提案した。1)と同様に負荷の在り方にもよるが、最適値と同等の結果が得られることもあるので、省エネ対策としてトライする価値はある。5) 冷水10°C運用（通常よりも上げて運用）は、必ずしも省エネとはならないので、シミュレーションによる検討が必要である。