コージェネレーションシステム及び熱源機の遠隔自動制御システムの運用評価(第2報)

摘要

エネルギーの有効活用や低炭素社会の実現に向け，情報通信技術を用いた電気，熱などのエネルギー使用量の見える化や設備の遠隔運用を実現するェネルギーマネジメントシステム(EMS)が普及しつつある。東京ガスグループではこれまでに，お客様サイトに設置したガスコージエネレーション(CGS)や冷凍機などのエネルギーサービス設備の遠隔監視を行ってきたが，従来の遠隔監視機能に加え，各設備の遠隔自動制御を実現するEMSを開発した。本EMSは，お客様サイトの電力や熱の需要データと気象情報から，東京ガスグループが開発した独自の手法により電力や熱の需要を高精度に予測する。この予測結果に基づきエネルギーサービス設備の効率的な運転計画を演算し，遠隔自動制御を行うことで，より省エネ・省コストな設備運用を実現する。2020年4月末時点で，民生用および産業用の19件のサイトで，東京ガスグループのEMSの導入を完了した。本稿では，EMS導入により設備運用が効率化された某病院での制御手法や運用実績について報告する。