構造性能検証法に応じた木造軸組構法建築物の耐震性能余裕度に関する研究 その2 倒壊解析の概要、解析結果および考察

摘要

本解析では、法令不適合である3階建①を除いて限界入力倍率はほぼ100%以上であり、いずれの検証法においても所要の耐震性能が確保された。この他、2階建①と3階建①の比較により壁量計算の場合は壁量に算入されない非耐力壁が少ない場合には耐震性能が不足する場合があること、および壁量計算、許容応力度計算により設定される柱端接合部仕様の場合は、耐力壁の耐力を実態に近い値とすると1階柱脚接合部の破断により倒壊にいたる場合があることが確認された。また、限界耐力計算において安全限界変形角をH/20とする場合も所要の耐震性能を満足し、現行告示に規定される基準値(H/30)は必ずしも耐震性能確保の要件ではないことが併せて確認された。