東京電力福島原発巨大事故による超長期的災害と「復興核災害」への建築都市農村計画の対応を問う

摘要

2011 年の原発巨大事故から10 年。原発災害非常事態宣言は解除されないまま災害は続いている。生空間（生きるための空間）を計画しデザインし建設し維持することに深く関与する建築学は、生空間を取り巻く自然環境が長期的に放射能汚染されるという破局状態の長期化にどう対処していくべきか。その理念（哲学）、方法、法制度等を用意していないのが現実である。破壊された原子炉施設、格納容器は今後何十年も地震や津波に耐えられか、破壊された構造物を長期的に維持するために建築構造学は何をすべきか、長期に放射能汚染された都市農村地域で暮らす人たちの安全で快適な生空間やコミュニティ構築、二地域居住のために計画学は何をすべきか。まさに建築学は「災害建築学」的要素を強化し、破局状況下での建築学として再構築をする必要性を自問する。