散逸のない4 次精度陽的FEM による時間領域音響解析手法

摘要

本稿では，修正Adams 法を用いた陽的なTDFEM に含まれる振幅誤差による計算効率の悪化を克服するため，振幅誤差を含まない新たな4 次精度陽的TDFEM を提案した．理論解析より，提案法は修正Adams 法を用いたTDFEM と比較して，分散誤差に関しては同等の性能をもつこと，安定性に関しては1.34 倍大きな時間刻み幅を用いて計算可能であることを示した．さらに，長距離の平面波伝搬の数値シミュレーションを通して提案法が振幅誤差を含まず，修正Adams 法を用いたTDFEM と比べて大幅に少ない時間ステップ数で高精度な計算ができることを示した．