高齢社会に対応した住宅向けIoT 技術の活用に関する研究その１ 研究概要およびニーズと課題の把握

摘要

現在、超高齢社会であるわが国において、高齢者の暮らし方を「施設から在宅へ」とする介護政策の転換が進められている。それにより今後、個人の住まいは居住者にとっての終生の生活の場であるほか医療・介護サービス等を受ける場として、住環境の整備を行うことの重要性がより高まるといえる。一方で、昨今のわが国におけるIoT 技術の進歩は目覚ましく、住宅においてもこれらの技術を備えたIoT 住宅化が急速に進hでおり、快適な空間の提供が徐々に広がりつつあるが、高齢世帯においても、日常生活行動の支援や見守り、一部の介護サービスの代替手段として、これらの技術の活用が期待できる。このような社会的背景・動向を踏まえて、本研究は高齢期における暮らしのためのより良い住環境を整備することを目的として、高齢世帯住宅へのIoT 技術を導入することについてのニーズや課題等の整理を行い、また高齢期に向けた住宅改修における新たな改修メニューとしての検討を行うものである。