中規模木造建物における常時微動測定に基づく振動特性の分析（その1）ツーバイフォー工法

摘要

本報ではツーバイフォー工法で建てられた中規模木造建物A の微動振幅レベルにおける基本的な振動特性を把握することを目的として、常時微動測定を実施し、その分析結果を示した。得られた知見は以下の通りである。a) 建物A のスウェイ・ロッキングモデルの1 次固有振動数は両方向とも5Hz 付近で、ロッキングモデルでは8.6Hz付近である。b) 建物A のスウェイ・ロッキングモデルとロッキングモデルの1 次卓越振動数が異なることから、地盤ばねによる長周期化（動的相互作用）の影響があると考えられる。c) 地盤のH/V スペクトルから、地盤の固有振動数は7Hz付近であることから、建物A のほうが地盤より剛性が大きいことが考えられる。